Google Cloud Next Tokyo '23 に行ってきました

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東京ビッグサイトで行われていたGoogleCloudNextTokyo'23に(Day2 の一部だけですが)行ってきました。

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生成 AI は、やはり盛況だった

セッションでも EXPO のブースでも、やはり生成 AI 関連のトピックが多くありました。

業務支援系やセキュリティ系や開発支援系など、何でも生成 AI でできるんだなぁと思ったのと同時に、自分自身に生成 AI を取り入れたプロダクトを作ったり運用したりという経験が足りていないことを痛感しました…。 エンジニアとして気になるというより、一般目線から見てすごいなぁという感想になってしまうことが多く、それはそれで楽しくいろいろ見たのですが、自分でももう少し生成 AI の開発に触れていって、この技術に追いついていかねばという気持ちになりました。

AlloyDB が良さそうだった

AlloyDB を使った事例をセッションでもいくつかのブースでも話を聞くことができましたが、AlloyDB が選択される理由として系統が大きく分けると 2 つありそうでした。

CloudSQL よりも強いから

CloudSQL では耐えられなかったリード要求にも AlloyDB では耐えられたというような事例があったり、スケールアップ時のダウンタイムが 1 秒未満!ということで、重いマイグレーションを実行するときにだけスケールアップして早く乗り切ってしまうというような使い方をしているという話もありました。なるほど強力な DB なのだなと思いました。

CloudSpanner 断念したから

CloudSpanner も非常に強力な DB として知られているので、AlloyDB を検討するようなケースでは Spanner も候補になることは多いのかもしれません。その際、Spanner 特有の性質をちゃんと理解して使わないと、性能上の問題を起こしてしまう可能性があり、学習コストや開発速度の面を考えて Spanner を断念したという話もありました。 ホットスポットを発生させないように設計する必要があったり、インデックスの使い方によって発生するクエリーコストやロックの競合など、Postgresql の感覚のままではうまくいかないことが多いようで、皆さん、Spanner を使うときは公式ドキュメントを熟読しましょうと言っていました。

CloudSQL と CloudSpanner のあいだの、これまでどっちを使おうとしてもちょっと難しかったかもしれないエリアで、今後 AlloyDB が使われることが増えていくのかなと思いました。

AlloyDB についてのセッションでは、決済事業のアーキテクチャとそれを支える AlloyDBという Sansan さんのセッションが興味深かったです。AlloyDB に移行したらコストが高くなってしまったが、決済処理の中でも特に高い可用性が必要だった部分がマイクロサービスとして切り出された形になっていたため、その部分だけに AlloyDB を使うようにして他は CloudSQL に戻すことで、必要な可用性を実現しつつコストを削減することもできた、という話をされていて「冴えた設計だ…」と思いながら聴きました。

スト 6 の話が面白かった

Street Fighter 6 アーキテクチャー大解剖というカプコンさんの話が面白かったです。

北米、アジア、ヨーロッパなどに GKE のクラスターがありましたが、DB(Spanner)へのアクセスを行っているのは、もっとも利用者の多い北米のクラスターだけで、他のクラスターからは北米のクラスターを経由してアクセスしたり、北米のクラスターにある API を呼び出したりする構成になっていました。DB へのレイテンシーを最小限にするための構成で「たしかに Spanner はマルチリージョンで使えるけど、Write のレイテンシーを考えたら、Writer インスタンスがあるリージョン置くのが正解になるのか…」と思いながら聴いていました。

また、ユーザー情報や対戦成績などのゲームのメインとなるデータは北米の DB に保持する一方で、バーチャルロビー(バーチャルなゲーセンのような、対戦が始まる前にゲーム内でいる場所)でのキャラクターの座標やエモートなどのリアルタイム性が重要だがメイン DB に反映しなくても良いようなデータは、それぞれのリージョンにある DB に保持することでゲーム内での操作性や体験を損なわないような工夫がされていて、なるほどなぁと思いました。

最後に

面白いと思ったセッションは、話している人のこれまでの試行錯誤や攻めたことや守ったことや迷ったことなどが追体験できるようなストーリーになっていて、それと自分の現時点での知識や興味が重なって、楽しく興味深く聞けたように思います。

次回は、生成 AI も含めもっといろんな分野の準備をして行けるようにしようと思いながら、AMD さんのカフェでコーヒーを飲んで帰りました。

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おわり。
投稿者: たにかね
カテゴリ: 技術ブログ
公開日: 2023.11.16